学校法人ワオ未来学園 ワオ高等学校

学校法人ワオ未来学園 ワオ高等学校

  1. ワオ高等学校
  2. ブログ
  3. 若き哲学者たちは何を目指す?ワオ高の“顔”哲学部の初代部長に聞く

ブログ

2023/12/08教養・リベラルアーツ学校生活

若き哲学者たちは何を目指す?ワオ高の“顔”哲学部の初代部長に聞く

 

ワオ高校は、哲学を学ぶことの出来る学校で、主な活動内容として

 

①教養探究「哲学」

②哲学部

③哲学カフェ

 

の3つがあります。

 

その中でも哲学部は、最も哲学についてしっかりと考え、議論している場となっています。その哲学部の初代部長に今回はインタビューしました。

(ワオ高校広報 河本健吾)

 

健吾「 哲学部を発足しようと思ったきっかけを教えてください。」

 

部長「教養探究の哲学がおもしろかったのがきっかけです。授業としてもおもしろかったし、哲学を売りにしている学校なのでやっぱそれに関する活動があってもいいなと思ってスタートしたのがきっかけです。」

 

健吾「そうなんですね。そういえば顧問の福盛先生の前で哲学部をつくると宣言 したという噂を聞いたことがあるんですが、本当ですか?」

 

部長「あれ、どれのことだろう?笑

最初、学校からしたい部活が何かないかという話しがあって、福盛先生や河本教頭先生に言ったことかなと思います。ただ少しノリのような部分があったのと、提出した企画書もあまり詳しく書いてなかったのもあって、企画自体が埋もれてしまいそうでした。でも、先生方が後押ししてくださって、せっかくならしっかりやろうって思ってスタートしました。」

 

健吾「なるほど。話がまとまってきて、さすがにちゃんとやろうって引き締まったわけですね。その頃は教養探究の授業以外に哲学カフェってやってたんでしたっけ?」

 

部長「いや、微妙なところじゃないですかね?その頃は生徒だけで行う哲学カフェのような活動はありました。ほぼ同時期にオープンスクールなどのイベントで、外部の方向けには先生同士が掛け合いながら進めるスタイルで行われていたように思います。

 

健吾「うんうん。じゃあ、哲学カフェと哲学部の活動ってどのように違うんですか?」

 

部長「哲学部は、哲学者一人ひとりにフォーカスしてディベートしていくんですが、曜日ごとにテーマがあって、1週間かけてその哲学者がどんな考えをしていたのかを深めていきます。例えばこんな感じ。

 

月曜日:どんなことをした人なのか

火曜日:その人の思想に沿った論題があり立論する

水曜日:それについて討論

木曜日:哲学者がどんな考えをしていたのか総括する

 

なので、月曜日から水曜日まで参加していなかった人も木曜日に来てくれたら一応全体の内容がわかるという形になっています。

哲学カフェは、テーマがあってそれに応じた哲学者が登場してくるというようになっています。だから1時間に2,3人出てくることもあるし、1人の時もある。」

 

健吾「テーマは福盛先生がピックアップしているのですか?」

 

部長「そうですね、福盛先生が言うには、哲学カフェは外部の人が来てくれるので、ディベートを通じてたくさんある答えの中から一つは答えが出てくるようにしているそうです。あと、哲学者は必ず一人は出てくるようにしているとか。参加者からお もしろい質問があったらそこから議論を展 開していくといった形ですね。」

 

 

哲学部 活動の様子

 

健吾「今後の目標について、是非、教えてください!」

 

部長「やっぱりみんなの居場所になるような部活にしたいというのがあります。

哲学部員でも話すのですが、最近は少しディベート寄りになってしまっているので、みんなが参加しやすい形を決めて活動していければとは思っています。形は決まりつつあるんですが、もっと改善の余地があるので、そこを早いうちに考えていけたらと思っています。」

 

健吾「ディベートに寄ってしまうことがあるけど、哲学カフェのようなフランクさが足りていないところもあるといった感じですかね。」

 

部長「そうですね、結局、同じテーマをずっとしていると話題も枯渇していくし、途中参加しにくい部分もあります。哲学部員にとっては何回も聞いている哲学者の話しであっても、初めて参加する人からしたら基礎知識がない状態で、議論に参加することになります。そうした部分を考慮しながら伝統をつくっていけたらいいなと思っています。」

 

健吾「なるほど。部員を増やしていきたいというのもありますよね。顧問の福盛先生が詳しいから哲学者の考えを共有して今後の生活の糧にしてもらえたらいいですよね。」

 

部長「そこが哲学を学ぶ良いところかなと思います。

“哲学とは何か?”という話を哲学部でよくしますが、みんなにわかりやすく、納得できる話や、知っておくだけでも前を向ける内容も多いので、すごくいいのではないかと思っています。」

 

健吾「たしかにそうですね。今日はありがとうございました。」

 

 

最後に、顧問の福盛先生からコメントをいただきました。

 

「哲学する」ことは誰にでもできます。「普遍妥当性」を目指して言語化しようとする行為に過ぎないのですから当然です。しかし、一つのテーゼに、実際に「普遍妥当性」を与えるのは至難の業でもあります。だからこそ、先哲の助けを借りるのです。

創部以来、着実に学び、好奇心をたぎらせて探求する部員の姿勢は、本当に立派だと思います。これからも、あらゆる問いに背を向けず、価値の高い言語ゲームを楽しむ人生とすることを願っています。

 

 

2023/12/08教養・リベラルアーツ学校生活