学校法人ワオ未来学園 ワオ高等学校

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2023/08/28学校生活イベント

ワオ高生の活動成果発表~ワオ高生が先生になるプレゼンショー

 

ワオ高校のカリキュラムである「総合的な探究の時間」や「教養探究」において、簡単には答えの出ない問題に探究的に挑むワオ高生。

通信制高校の特徴の一つである「自由な時間」を使って、社会の課題や自分の好きなことを探究するなど、学校の学び以外にも、様々な探究活動をしています

 

その活動成果をプレゼンする場「ワオ高生が先生なるプレゼンショー」を、8月に公開授業参観として開催しました。

審査員として本校の山本潮校長に加え、マーケティングコンサルタントの谷垣陽子さんをお迎えし、3名の生徒がプレゼンしました。

一体生徒たちはどんなプレゼンをしてくれたのでしょうか?

 


旅する高校生(高校2年生 N.Kさん)


まず、最初に登壇してくれたのは、2年生のN.Kさんです。「旅する高校生」というタイトルで発表してくれました。

 

小中学校で不登校を経験した時に支えてくれた先生にあこがれて、教育系の学部への進学を目指して頑張っているそうです。

 

さて、ここで問題です。

子どもたちの居場所づくりやプレーパークに関心があるというN.Kさんですが、彼女が主に行っている活動は、次のうちどれでしょう。

 

1.音楽活動
2.食べ歩き
3.生徒会活動
4.旅

 

 

答えは「4.旅」でした。

 

旅って、そもそも「学びにつながる活動」なの?と思う方もいるかもしれませんが、N.Kさんは「見る」「聴く」「話す」「行く」「体験する」を通じた「学び」があると言います。

 

そこで紹介してくれたのが「プレーパーク巡り」です。プレーパークは子供たちが創プレーパーク遊びを作り出すことのできる遊び場のことです。

 

 

N.Kさんは、教育系への進学を考えていますが、そこで研究したいテーマの一つが「プレーパーク」。今から実際に足を運び、現地で活動しているスタッフの方々とも交流して、知見を広げているんですね。

 

ウクレレを嗜むN.Kさんは、プレーパークのスタッフの大学生と一緒に演奏を楽しむこともあるそうです。

 

もう一つ、N.Kさんが紹介してくれたのは、さとのば大学主催の「ラーニング・ジャーニー」。

これはまちづくりや地方創生などの視点で、学生や企業の方と地元で暮らす人々を結びつけるプログラムです。ワオ高校では、この取り組みに参加したい学生を募集し、実際にこれまで多くの生徒が参加しています。N.Kさんもその一人です。

 

N.Kさんが参加したのは、高齢化率日本トップクラスの町「秋田県五城目町」での二泊三日の旅。

実は五城目町では「世界一子どもが育つ町」を目指した活動が行われています。地元の人たちの意見を取り入れた小学校づくりなど、教育の問題について、現場で当事者たちの活動や言葉に触れながら、学びを深めたそうです。

過疎地でありながら、コミュニティがしっかり形成されている点が、現地の活動がうまくいっている秘訣だと感じたそうです。

 

N.Kさんは最後に、こうした様々な活動や、今回のイベント登壇など、色々な機会を通じて、子供たちの居場所づくりができる教育者になりたい、そのために学び続けていきたいと、抱負を語ってくれました。

 

審査員の谷垣さんは、「旅」という一つの軸に、「教育」というもう一つの軸を通し、目的を明確に活動している点が素晴らしいと評価していました。

また、色々なところに行って感じた様々なことを、自分の言葉で人に伝えると、そこからまた新たな気づきが生まれて、次の場所での学びが深くなる、というアドバイスもありました。

 

山本校長からは、プレーパークを作って何がしたいのか、という質問が。

 

N.Kさんは、小中学校で不登校を経験し、人と話すのも苦手でした。

それが、プレーパークに出会ったことで、学校でも家でもない、新たな自分の居場所を見つけ、そこで色々な人々と接することで、人と関わることが楽しいと思えたそうです。だから、プレーパークを作って子供たちに新たな居場所を与えたい、それがN.Kさんの回答でした。

行動と目的が明確なのが本当にすごいですね。

 


ノラズライフ(高校2年生 G.Kくん)


二人目は、オプションの「起業コース」で学んでいるG.Kくんです。その「起業コース」での取り組みを紹介してくれました。

 

なんと、G.Kくんは、News Picks主催の「メイクマネーサバイブ」というビジネスコンテストのオーディションに挑戦!自分の企画をプレゼンしたのです。投資家の堀江貴文さんが審査員を務めている人気配信番組です。

 

ここでは、そのオーディションで発表したプランを紹介してくれました。

 

さて、ここで続いての問題です。

G.Kくんが考案したプランとは、ある社会問題を解決するための方法を考えるゲームだそうです。さて、その社会問題とはなんでしょうか?

 

 

 

正解は「野良猫問題」です。

 

実は野良猫の暮らしはとても過酷なんだとか。

次にいつ食料が得られるのかわからない、明日にも命があるかわからない環境に置かれている野良猫の子供が大人になれるのは約 20 %で、しかも、野良猫の寿命は3~5年程度しかないそうです。

また、令和3~4年に保健所に引き取られた野良猫の数は 34,800匹、同年度に殺処分された数は約12,000匹にもなるということです。

 

野良猫を救おうという取り組みは各地で色々と行われていますが、問題の認知自体が低く、うまくいっていないのが現状だそうです。

そこで、人間の都合で過酷な生活を強いられている野良猫の実態を知ってもらおうとG.Kくんが作ったのが、先述のゲームです。野良猫を擬人化したキャラクターを使ってプレイすることで、野良猫の生活を疑似体験することができます。これを、今や若い世代が必ず遊ぶであろうスマホゲームにすることで、野良猫の問題を広く知ってもらうことを目的としています。

 

審査員の山本校長は、自らの問題として捉えるためのきっかけとしてゲームを用いる着眼点を高く評価しました。

 

谷垣さんは、問題解決のために行動しようというのは動機として素晴らしいとコメント。一方で、このゲームを一体誰が買うのかという質問がありました。

G.Kくんは、知育として親が幼い子どものために買う、動物愛護団体がセミナー活動のために買う、と回答。

それに対して、谷垣さんは、もっとたくさん、それこそ日本中のネコ好きの人に買ってもらうためにはどんなゲームにすればいいのか考えてほしいという要望が提示されました。

確かに、社会問題を扱ったゲームであるなら、それに関心がある人が買うのは当然のこと。しかしそれ以外の人にプレイしてもらわなければ、啓蒙にはなりません。

 

今回紹介してくれたこの企画、残念ながら「メイクマネーサバイブ」本選出場は叶いませんでしたが、G.Kくんはもう次に向けて動き始めています。今回のアドバイスを生かしてきっと素敵なプランを考案してくれることでしょう。続報を期待して待ちましょう。

 


ワオ高内での活動(高校3年生 T.Sくん)


最後は、高校3年生のT.Sくんです。全日制高校に一年間通っていましたが、寮生活になじめず中退。ワオ高校が開校したばかりで2年生編入ができないため、もう一度1年生からやり直してくれたという、ワオ高愛にあふれた、栄えある第1期生になります。

 

まず、T.Sくんから、「私自身が関わってきたワオ高校に関する企画や活動は、何種類あるでしょうか?」という質問が出されました。

 

 

正解は8(+1)種類でした。

活動内容はこちら!

 

 

②は、制服がないワオ高校において、何か記念になるものとして、パーカーやTシャツなどを、有志を募ってデザインから発注、注文受付までを自分たちでやったものです。先生方や生徒の多くが購入し、スクーリングで着用しました。

⑥~⑧は、オプションの「AI(データサイエンティスト)コース」での取り組みとなります。⑦は「シンギュラリティ バトルクエスト」で、2年連続で全国大会に出場し、今年度、部門2位に輝きました。

 

⑥のG検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が開催するAIに関する基礎知識やビジネススキルに関する資格取得試験です。

T.Sくんは今後、JDLAが実施するもう一つの資格「E資格」にも挑戦するそうです。こちらは、AIの応用知識や技術が問われるもので、主としてエンジニア向けの内容になっています。

 

E資格の試験は8月末、それが終わったら大学受験の対策に励むということですが、その一方で卒業式の実行委員としての活動もやっていくということです。

 

ワオ高校では、生徒が自分たちで企画を立ち上げて新しいことやるということを歓迎しています。

その意味で、T.Sくんは今までその機会を十分に生かして、様々な活動を行ってきました。その中で企画の進め方や、メンバーとの連携の取り方など、今後の社会人生活にも役立つであろう学びは多かったと語ってくれました。

 

谷垣さんからは、これだけ色々なことをやってきた原動力は何ですか、また5年後どうしていたいですかという質問が出ました。

原動力について、T.Sくんはどちらかというと「人を巻き込んで何かをやりたい」と考えるタイプだそうで、それが一つの理由ではあるのだけれど、何よりワオ高校ができたばかりの学校で、自分たちで伝統を作っていくことができるという点にも大きな魅力を感じて行動していたということです。

5年後については、具体的なビジョンはまだ描けていないとしながらも、今まで学んだことを生かして、社会に役に立つことをしていたいと答えてくれました。

 

それに対して、谷垣さんは、ぜひ今の気持ちを忘れずに、社会のリーダーとしてがんばっていってほしいと激励していました。

 

山本校長は、T.Sくんの活動が、どれも自分でやりたいと思ってやったことだという点を高く評価しました。

確かに、G検定やE資格は、「AI(データサイエンティスト)コース」で受験を目指しているものですから、学校で決められたものです。

ですが、それを「言われたからやる」のではなく、自ら関心を持って、自分のことにしている点、それはモチベーション理論の点からいっても、とても素晴らしいことです。

 

 

3人の活動発表、いかがでしたでしょうか?

三者三様の活動でしたが、共通しているのは、「自分の関心に基づいて、目的に向かって活動を続けている」点です。

 

哲学・科学・経済を通して問題解決の方法を模索するワオ高校、そして「自由な時間」のある通信制高校の特徴を活かして、自分の興味・関心から目標を掲げ、それに向かって活動していく。そんな高校生活を過ごしてくれていることが、とても喜ばしいですね。

 

 

こちらの活動発表は、オープンスクールで開催しています。

生徒のリアルな声が聞ける、学校生活の様子を感じられる機会でもありますので、ワオ高校に興味のある方、是非、オープンスクールにご参加ください。

 

オープンスクール・イベントページはこちら

 

 

オープンスクール

9月9日(土)13:00~15:00

1部:ワオ高生が先生になるプレゼンショー

2部:親子で考える“哲学探究”

 

2023/08/28学校生活イベント