2022/12/09教養・リベラルアーツ
後期から開始しているワオ高校オリジナルの教養探究授業、自然科学探究Ⅰ「生命」のZOOM授業の様子をお伝えします!
学習のテーマは「ジーンドライブ(遺伝子操作)と害虫駆除」。
まずはどんな害虫・害獣がいるのか「人間を害する凶悪生物ランキング」をチャットに書き込んで予想!
生徒からの予想で最も多かった生物は蚊でした。その他にも人間、蛇、熊、犬など様々な生物があげられました。
1位は予想通り「蚊」。年間75万人もの人が、蚊の媒介する感染症にかかり亡くなっています。
そこで、人の命を守るための害虫対策として「生まれた幼虫が死んでしまう遺伝子操作」をした蚊を放出し、絶滅させる駆除方法が実行され成功しました。その駆除方法についてワオ高生は…
・75万人もの人が亡くなっているし、被害人数が減るなら駆除したほうがいい。・自分や家族が蚊の影響で亡くなるのは“悲しい“という感情的な理由から駆除に賛成。
・全ての蚊を絶滅させるのはダメだし可哀そうだと思うが、特定の蚊のみなら問題ないと思う。
・オスの蚊は花の蜜を食べている、その花にも影響が及ぶかもしれない。
・遺伝子操作で予期せぬ事態が起こったり、生態系が崩れたりしそうだから反対!
・蚊を絶滅させるのではなく、人間を強化することや、薬の開発をしてはどう?
「悲しい」「かわいそう」といった感情的な意見も多く、賛否両論の議論が繰り広げられました。
しかし、遺伝子操作をされた蚊を追跡すると「十分な生殖能力・より堅強な肉体」を獲得した新たな蚊が生まれるという結果が。
遺伝子操作による駆除は「生態系を変えてしまうかもしれない」ということを考えながら、生徒たちは次のQuestに挑戦しました!
・やっぱり人間の営みに対して被害が多いものや、外来種は駆除をするべき。・さっきの蚊のように遺伝子が強化される可能性があるからしないほうがいい、反対です。
・理想は共存できたらいいと思う、人間側のエゴや考えだけで駆除はよくない。
・駆除することによって発生する生態系のバランスの崩れも考慮をするべき。
・オーストラリアでは害獣のカンガルーを食用にしているから、駆除ではなく活用できない?
あるグループでは自然科学者ダーウィンの考えを取り入れた意見や、「害獣の線引きはどこからどこまでなのか?」という議論も行われ白熱していました。
今回の害虫・害獣の駆除についてのディスカッションではそのメリットやデメリットが見えてきました。
はじめは人目線の主観的な考え方が多かったですが、科学的な事実から「自然や生態系への影響する範囲」がキーポイントになってくるとワオ高生たちは学んだようです。
皆さんも遺伝子操作による害虫・害獣の駆除について賛成か反対か、ぜひ考えてみてください!
2022/12/09教養・リベラルアーツ
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