2022/10/13イベント
フランスの哲学者マルク・ソーテが「考えの打ち合いの場」として始めたという哲学カフェ。
「フランクな場で、もっと気軽に哲学を議論したい」という創始者の思いを継いで、ワオ高校では今までも週に1度、哲学カフェを実施してきました。
そんな「気がつけば考えている自分に驚く」体験を一般の方にも広く味わっていただこうと、「ワオ高・秋の哲学フェス2022」に合わせて、哲学カフェをオープンな場として公開することになりました。
参加される皆さんには、身近で気になる「問い」に対して哲学者の思想をヒントに考えを深めていくために、「#ジューダイクエスト」として設定した10題をテーマにして考えていただきます。
第1回10月7日(金)のテーマは「Q1:いい学校に入ることに意味はあるの?」でした。
先生「まず、この問いで哲学できるかな?この問いについてどう思う?」
先生から、いきなりこの質問です。どうなることやら…。
参加者「意見が分かれるだろうから、できるんじゃない?」
確かにそうかもしれません。
ここから、「そもそもいい学校って何?」と続いていきます。
参加者「偏差値が高い難関校のことでしょうか?」
参加者「学業以外でやりたいことを先生がフォローしてくれる。」
参加者「社会で生きていくための知恵を授けてくれる。」
→基準は曖昧ですが、どれもその人にとってのいい学校ですよね。じゃあ、「いい学校」に行くことには、必ず「意味がある」になっちゃいます。
冒頭の先生の質問は、こういう意味だったんですね。
ここで先生から「価値=偏差値レベルなのか?という問いの本質に迫って欲しい。」との投げかけ。
先生「難関校に価値はある?」
参加者「入るために努力したことに価値がある。」
参加者「自分の能力次第でしか活用ができないので、あるとは言いきれない。」
先生「そもそも価値とは?」
参加者「お金で表せるものもあるけど、周りの人の評価で決めたりする。」
参加者「自分では決めないの?」
参加者「人によって変わると思う。」
参加者「価値=認識で解釈されたもの。」
先生「いいね!『認識』という言葉をどう使うか考えてみようか。」
この後は、「認識と評価」「お金に価値はある?」「時間は存在する?」というような問題について、「イデア」「エイドス」「ヒュレー」という哲学用語を基に掘り下げていきました。
哲学メモ
・イデア:共通概念
・エイドス:目の前に見える、形あるものとして取り結ぶことができるもの
・ヒュレー:そのものの素材
参加者「時間は存在しない。イデアはあっても、エイドスと言えるものが無いから。」
初めて参加した高校1年生からこんな発言が出るところまで、考えが深まっていきました。
このように、言葉(哲学用語)の意味を知ると、非常に考えやすくなります。
考えが深まったところで、ソクラテス、プラトン、カント、ハイデガー、ニーチェなどの偉大な哲学者、現在注目されている理論物理学者カルロ・ロヴェッリなどの、ヒントになる言葉や思想も提示されていきました。
「いい学校」→「価値」→「価値の解釈」と、まだまだ覚束ないところは多いけれど、それぞれが真剣に考えを深めていきました。
言葉を使って哲学すると、合理的な解釈ができます。そして頭を使ってしっかり考えたので、自分の考えとして身に付いたのではないでしょうか。
先生「どうだった?」
一同「めっちゃ難しい!でも…面白い!」
普段バーチャルキャンパスで実施しているワオ高校の哲学カフェでは、ニュースを1つ取り上げて「考えの打ち合い」をしています。
いつも参加している生徒と先生の言葉を借りると「ニュースサイトやSNSを見るだけでは、哲学的な観点から新しい解釈をすることができない。情報の透明性が損なわれている問題について、見えない部分をすっ飛ばして解釈することができる。」
興味を持たれた方は、毎週金曜18時に期間限定でオープンする「ワオ高校哲学カフェ」に、是非参加してみてください。
■「ワオ高・秋の哲学フェス2022」の詳細はこちら>
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