ワオ高校は「哲学で未来を変える通信制高校」をスローガンに、哲学を通じてとことん「考える」授業を展開しています。
哲学をもとにした対話を実践する機会のひとつとして、教師と生徒の壁を取り払って自由に議論する場「哲学カフェ」を実施しています。
2025年最初の哲学カフェの通期テーマは「わきまえるべきこと」。
1月から3月の10大テーマをリストアップしましたので、お知らせいたします。
「自己主張」や「自己顕示」という言葉に、他者への配慮なくただ自分を目立たせることだけに執着しているイメージはないでしょうか?
人間にとって「他者」は、自分を知るために不可欠な存在なのに、自慢のために他者を利用するというのもまた、かき消すことのできない現実なのです。
だからこそ “わきまえ” たいのです。人間らしさと人間臭さ、この両面の意味と価値を!
そこで今回の「哲学カフェ」では「わきまえるべきこと」をシーズン・テーマとして、ヘーゲルの示唆した「自分がよいと思ったことが他の誰にとってもよいといえるものかどうかを判断する能力」について、多面的に考えます。
独りよがりな思考によって自縄自縛になることを戒めあうということかもしれませんね。どうぞご期待ください。
① 1/10(金) 学習:「なぜ学ぶのか?」~ホモ・サピエンスなる原点
② 1/17(金) 遊興:「なぜ遊ぶのか?」~ホモ・ルーデンスなる原点
③ 1/24(金) 創造:「なぜ作るのか?」~ホモ・ファーベルなる原点
④ 2/7(金) 対話:「なぜ話すのか?」~プラトンが担うべき視点
⑤ 2/14(金) 懊悩:「なぜ悩むのか?」~ニーチェが担うべき視点
⑥ 2/21(金) 教養:「なぜ慎むのか?」~ヘーゲルが担うべき視点
⑦ 3/7(金) 配慮:「なぜ気遣うのか?」~ディルタイという起点
⑧ 3/14(金) 解釈:「なぜ気づくのか?」~ヤスパースという起点
⑨ 3/21(金) 指標:「なぜ頑張るのか?」~ハイデガーという起点
⑩ 3/28(金) 瞬間:「なぜ生きるのか?」~ベルクソンという起点
【「哲学カフェ」主宰からのメッセージ】
「人間とは何か?」を探った前回シリーズを終え、新たなシリーズでは、「人間がわきまえるべきこと」と銘打って、哲学する者が共有すべき領域に入ってみることにしました。今季もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
ドイツの哲学者ヘーゲル(1770-1831)は、「自分が良いと思ったことが、他の誰にとっても良いといえるかどうかを判断する能力」のことを「教養」と位置づけたそうです。これは大いに示唆的です。哲学の本質が「普遍妥当性」にある以上、この教養を持ち合わせていない限り、哲学することも哲学を理解することも叶わないからです。
そこで今季の「哲学カフェ」では、教養なるものの重要性に沿って、「わきまえ」といえるものの多様な視点を学ぶことになったということです。自然体でわきまえていることから、意識なくしては心得ることのできない次元まで、とことん語り合ってみたいと思います。
再び参加者の皆さんの何気ない一言や想定外の発言から、価値的な触発の場が現出されることを心より楽しみにしております。
福盛直樹(ふくもりなおき)
ワオ高等学校 教諭 教養探究アドバイザー
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たくさん考えて話そう!「ワオ!」な新しい気づきに出会える
哲学カフェ
毎週金曜日 18:00~19:00 計10回開催
「耳だけ参加」でもOKです。お気軽にご参加ください。
https://www.wao.ed.jp/philosophy_cafe/