「私は誰?」
この一つの問いが意味するものは実に深く、実に広範なものになる場合があります。
最も身近で、最も緊密に生涯付き合う相手(?)の自分なのに、本当の自分がつかみ切れていない現実があるということです。
さて皆さんは、自分の顔を直接見ることが生涯できないというシンプルな事実に考えを巡らせたことがあるでしょうか?
他人にしか分からない自分という現実を象徴するものです。
そもそも人間は一人で生きていくことなど絶対に不可能な存在です。
何をするにしても他者の世話になって生きているのです。
他者の存在なく、買いたいものが買えますか?
欲しいものをイメージすることが出来ますか?
生きがいを見いだすことができますか?
ドイツの哲学者イマヌエル・カント(1724-1804)は、かの有名な三批判書によって「人間とは何か?」を追究してみせました。
それぞれ「人間は何を知りうるか?」「人間は何を為しうるか?」「人間は何を欲しうるか?」を問い、その一つ一つの解を求めたのです。
その象徴的なものこそ、認識が対象を取り結ぶという「コペルニクス的転回」だったということです。
ここまで読み進めていただいた方は、既に様々な形で思考作業に突入しておられることと思います。
その思考が深ければ深いほど、疑問が多ければ多いほど、「哲学する」資質の高さを示しているのではないかと思います。
そこで今回の「哲学カフェ」では、「そもそも人間ってなんだろう?」をシーズン・テーマとして、さらに考え込んでしまいつつも、先哲の力と自身の「気づき」によって、心から納得してしまう思考体験をより多くの方々にして頂きたいと願っております。どうぞご期待ください。
ワオ高校では、教師と生徒の壁を取り払って自由な議論の場「哲学カフェ」を実施しています。
新聞記事からテーマを選択し、哲学者の考えや行動からヒントを得て、ニュースの本質を紐解くユニークな取り組みです。
この気軽に議論をする「哲学カフェ」を一般の中高生の方や保護者の方にも体験いただきたいと思い、オープンしました。
毎週金曜日18時からワオ高校のバーチャルキャンパスで開催しています。
「耳だけ参加」でもOKです。是非、お気軽にご参加ください。
もっと気軽に哲学を議論したいと、フランスの哲学者マルク・ソーテが『考え方の打ち合いの場』として始めました。
カフェというフランクな場所で、頭をフル回転させ、何かを吐き出すように考えを仲間と述べ合います。もちろん、ただ、聴いているだけでもいいんです。
そうすることで、『そうだったのか!』と新たな気づきが得られ、自分の考え・意見により磨きをかけていきます。
この新しい気づきの「ワオ!」で活力がみなぎり、忘れかけていた清々しさを感じられる。ここに哲学カフェの醍醐味があります。
哲学カフェは、9/20(金)よりスタート。
毎週金曜18:00~19:00 バーチャルキャンパスで開催しています。
必要事項を入力の上、お申し込みください。