学校法人ワオ未来学園 ワオ高等学校

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2022/11/16イベント

【秋の哲学フェス2022】金曜18時のオープン哲学カフェ「ダイエットを成功させるには?」

 

フランスの哲学者マルク・ソーテが「考えの打ち合いの場」として始めたという哲学カフェ。

「フランクな場で、もっと気軽に哲学を議論したい」という創始者の思いを継いで、ワオ高校では今までも週に1度、哲学カフェを実施してきました。

 

そんな「気がつけば考えている自分に驚く」体験を一般の方にも広く味わっていただこうと、「ワオ高・秋の哲学フェス2022」に合わせて、哲学カフェをオープンな場として公開しています。

 

参加される皆さんには、身近で気になる「問い」に対して哲学者の思想をヒントに考えを深めていくために、「#ジューダイクエスト」として設定した10題をテーマにして考えていただきます。

 

第5回11月4日(金)のテーマはQ5:どうやったらダイエットに成功できる?でした。

 

 

これは難しい…

けど、どんな話題でも哲学にしてしまえるのが哲学カフェ。まあやってみましょうか!

 

A食事制限と運動

B気合

 

参加者「A・B両方必要だと思う。」

 

ですよね…。

では、そもそもどうしてダイエットするのか、考えてみましょう。

「必要に迫られて(必要派)」と「目的があって(目的派)」の二派に分かれて、どちらの方が成功しそうか意見を出し合ってみました。

 

必要派「命に関わる場合もあるだろうし、外圧がかかってる方がやり切れると思う。」

 

目的派「外圧でやり切っても成功とは言えないと思う。」

 

今日は、なんだかディベートみたいになってきました!

このまま進めてみましょう。

 

必要派「減量だけでなく、筋肉をつけて代謝を上げるのが健康になるということだよね。そもそもダイエットの概念をはっきりさせる必要があると思う。」

 

先生「これは、ニーチェ的な発想!解釈の落差があってはいけない!『ダイエットの定義』の共通認識について触れておこうということだね。」

 

目的派「筋肉をつけるのは、ダイエットよりもボディメイクの手段じゃない?ダイエットは、言葉の意味として食事だよね。」

 

必要派「単語の意味としては食事だけど、厚労省の定義によると…食事の制限をしたりエクササイズをしたりして減量すること。だから、そこはちょっと違うと思う。」

 

先生「単語と用語の違いだね。いずれにせよダイエットって禁欲的(=ストイック)にならないと成功しないという側面があるんじゃない?

 

必要派「目的がある方がストイックなように思えてきちゃってるけど(苦笑)、敢えて反論すると、外側からの抑制(ストイックさ)の方が強力だと思う!」

 

目的派「学校の課題に置き換えて考えた時、課題を一生懸命やってる人を『ストイックだね!』とは言わない。やらなければならないことをするのはストイックではない。必要の範囲を超えて目的に達した時に、初めてストイックだと言えるんじゃないかな。」 

 

先生「始まりは『必要』に応じて。ところが、自らの意志がそこに入ってきた瞬間、『目的』に変わる。さあ、反論は?」

 

必要派「そもそもダイエットをすると宣言した人にとって、必要と目的の線引きがあるのか?疑問に思えてきた。」

 

目的派「医師に命の危険を指摘されて医療行為としてダイエットするのは、医師の動機であって本人の意思ではない。」

 

先生「今まで、本人の意思が投影されるのが前提の話だったけど…医師という強力な第三者が登場した時、当事者は不在になるのかな?ならないよね。

ということは、当事者はどういった心の動きで行動しているのか?…これは、どこかで『イドラ』が作用してるんじゃない?」

 

哲学メモ

フランシス・ベーコンによる4つのイドラ(思い込み、偏見)

①種族のイドラ:属性によって作られる。

②洞窟のイドラ:個人の環境、経験から作られる。

③市場のイドラ:噂や、周囲の話を信じ込む。

④劇場のイドラ:専門家の話を鵜吞みにする。

 

ここからは、それぞれがとらわれているイドラの側面からダイエットを分析してみます。

 

・「やった方がいいよ」という友達からの情報によってダイエットを始める人 → 市場のイドラ

・その情報がテレビに出演していた専門家から出たものだと → 劇場のイドラ

・情報ではなく、自分自身の思い込みで始める人 → 洞窟のイドラ

・日本は先進国の中でBMI値の基準が低く、ダイエットを要求されやすい → 種族のイドラ

 

参加者「日本人は人の目を気にしやすいという点で考えても種族のイドラだけど、それが自分の思い込み(強迫観念)になってくると、洞窟のイドラかな。」

 

参加者「自分の健康のためではなく、細ければ細いほど良いという強迫観念が強い方が自分で自分を追い込みやすくなる(ストイックになりやすい)。この場合も必要が目的にすり替わっていくことで成功しやすくなる。」

 

参加者「成功するためには目的が切り離せなくなってくるな。」

 

先生「必要に迫られる状況も、最終的には前提となる目的があってのことだからね。」

 

参加者「スポーツ選手や俳優さんってストイックですよね。」

 

参加者「その場合も、自分の立ち位置=仕事、生きていくために必要というふうに考えられない?」

 

先生「生きていくため=目的では?目的を抜きにした必要性はあり得ない。どうしても目的が出てきてしまうなあ。これは最初から仕掛けられた罠かもしれないね。」

 

最後に、今日の問い「どうやったらダイエットに成功できる?」に対する答えをまとめました。

 

参加者「やっぱりダイエットって、目的がないと。気合だけでは乗り切れない。」

 

参加者「必要性と目的の熱量のバランスが自分の中でとれていること。」

 

参加者「目標を設定して、何故それをやらなければならないのかを明確にする。」

 

目的に対する意識が曖昧だと成功しない。

「イドラ」という思い込みに惑わされて適当にダイエットに踏み込んでしまうと、まず成功しないということですね。

 

今回は、途中ディベートの様相を呈した哲学カフェでしたが、参加者のみなさんは、それも楽しんでいたようです。

どうぞみなさんも、ダイエット成功のために参考になさってください!

 

 

普段バーチャルキャンパスで実施している在校生限定の哲学カフェでは、ニュースを1つ取り上げて「考えの打ち合い」をしています。

興味を持たれた方は、毎週金曜18時に期間限定で外部の方にもオープンする「ワオ高校哲学カフェ」に、是非参加してみてください。

 

 

■「ワオ高・秋の哲学フェス2022」の詳細はこちら>

 

■ワオ高校での学びが体感できる!「11月19日(土)オープンスクール」の詳細はこちら>

 

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