学校法人ワオ未来学園 ワオ高等学校

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2023/02/20イベント

【実施レポート】10月19日(水)超教育協会開催のオンラインシンポに山本校長が登壇しました!

 

10月19日(水)に開催された超教育協会主催のオンラインシンポに、本校校長の山本潮が登壇いたしました。

テーマは「多様化する学びへの挑戦~『議論と対話』を中心におくワオ高等学校の学びとは」。

ワオ高の取り組みや学びについて色々お伝えし、また後半には皆様からいただいたご質問に対してお答えするQ&Aコーナーを実施しました。

 

今回のブログでは、オンラインシンポの一部様子をお伝えします。(超教育協会公開レポートより抜粋)

みなさまぜひご覧ください!

 

概要テーマ:「多様化する学びへの挑戦~『議論と対話』を中心におくワオ高等学校の学びとは」

日時:2022年10月19日(水)12時~12時55分

講演:山本 潮(ワオ高等学校 校長)

ファシリテーター:石戸 奈々子氏(超教育協会理事長)

 

石戸氏:「最初の質問は『オルタナティブスクールに関して世間の変化はありますか』というものです。オルタナティブスクールというと、全日制高校への通学が難しいなど何らかの事情のある人が選択するイメージが強かった一方、コロナ禍で多様な学び方への関心も集まっています。実際に運営していて世の中の意識の変化を感じているか、合わせて実際に通っている子どもたちはどういう思いや背景があって選択してきたのかについてお伺いできますか」 

山本:「本校は開校2年目ですが、初年度に入学した子どもたちは、通信制高校を探していてワオ高校にたまたま巡り合ったケースが多く、具体的には8割以上が不登校の子どもたちでした。ところが初年度後半から本年度の入学者は、普通に学校に通えていた子どもがこの勉強をしたいとダイレクトにワオ高校へ進学するケースが半数以上で、中には起業の勉強ができる学校を探してワオ高校に巡り合ったという子どももいます。通信制高校は、全日制高校に通ってうまく行かない子どもが編入学するケースが多いのですが、本校では高校1年生の4月から入学する子どもの割合が明らかに増えていて、社会の変化を肌で感じています」

 

石戸氏:「自分の進路の最適な選択肢として、子どもたちがワオ高校を自らの意思で選んでいるわけですね。それに対する保護者の反応はどうですか。意識の変化も感じられますか」

 

山本:「はい、昨年は子どもが本校を探して進学を希望しても、保護者が了解しないケースが多く、中には学校の先生に反対されたケースも散見されました。しかし、今年はほとんどそういうことがなく、むしろ保護者から子どもに勧めるケースが増えてきています。保護者の間でこういった新しい教育への認知が広がり、必要性を感じている方が増えている印象があります」

 


 

石戸氏:「次の質問は、探究的学習やディスカッション型学習について、『それにより生徒たちにどのような効果が表れているのか』という質問と、『それをどのように評価しているのか』という質問ですが、いかがでしょうか」

 

山本:「効果については個人差もありますが、最初はオンライン上でもなかなか発言できない子どもが多く、年に2回のスクーリングでも初回の6月はまだ、全員の前でプレゼンできる子どもは少数派です。しかし、テキストベースでのやり取りなど段階を踏んでいくことで2回目の12月にはきちんとプレゼンできる子どもが明らかに増えています。

 

手法はいろいろありますが、自分で思ったことを書いたり話したりするチャンネルをたくさん用意して、やれる所から少しずつやっていくことで効果が出ることは実感しています。

 

評価については、教養探究などは授業自体に対してどれだけ積極的に参加しているかをみています。例えばコメントをちゃんと書いているか、Zoom上で議論の中に参加をしているかといった「態度」を重視していて、自由な発言を促すためにも内容については実はそれほど重視していません。もちろん、教科系の科目についてはレポートや試験で評価しますが、それ以外はほとんど態度をしっかりみてその部分を動機付けし、できるようになったかどうかを主眼において評価しています」

 

石戸氏:「プレゼンに慣れることができず、探究的なディスカッション型の学びの場に入れない子どももいると思いますが、そういう子はどうフォローしていますか、という質問もきています」

 

山本:「教員による一対一での声かけを基本としています。テキストベースでの発言は全てチェックしていますので、なかなか発言しない子どもには教員が個別連絡かバーチャル上での面談を実施し、『ここはどう思ったの』などと意見を聞き、『こういうことを書けばいいよ』などとアドバイスして後押しします。こういうことの積み重ねが大切です」

 


 

石戸氏:「次は『N高との違いは』という質問がきています。最近はN高のほかにもさまざまな特徴を持つ通信制高校やオンラインのオルタナティブスクールも増えていますが、その中で『ワオ高校はここが違う』と言うところがあれば教えていただけますか」

 

山本:「一番大きいのは哲学を中心に置いて、議論と対話をやっていくことです。さまざまなスキルを身につけることは多くの学校がやっていますが、私たちはその元になる部分を大切にしたいと考えています。そのために、少人数でしっかりケアしながら、物事の考え方や、自分の哲学を持って何かをやることを大事にしているのは大きな違いだと考えています」

 

石戸氏:「次は、『議論や課題解決といった取り組みでは、苦手な部分が足を引っ張る場面もあると思います。仲間同士の助け合いにつながるので良いという考え方もありますが、学び直したい生徒もいると思います。そういう場合のフォローはどのようにしていますか』と質問ですが、いかがでしょうか」

 

山本:「よく保護者の方からも聞かれる質問ですが、学び直しについては教員がお昼の間に個別指導の時間をとっています。学習でつまずいたり不安になったりした子どもはその時間にキャンパスに入ってきて個別指導を受けることができます。これも少人数でやっているメリットの一つで、オンラインだからこそ緻密にコミュニケーションを取り、個別最適化の学習をしっかり行っていくことが重要だと考えています」

 


 

石戸氏:「ノウハウの共有という意味では、『ワオ高校が提供する魅力的なプログラムを通常の高校が採用しない理由は何だと思いますか』という質問もきています。実際にワオ高校を運営されていて、既存の高校などに対して感じていることがあれば教えていただけますか」

 

山本:「質問の趣旨とは少しずれるかもしれませんが、ワオ高校のような勉強をしたい子どもたちは全国に分散していて、例えば岡山県だけでこういう学校を始めようとしても子どもがなかなか集まらず、システム的には難しいところがあると思います。保護者の方からも、『アントレプレナーの学びやデータサイエンスなどやっている内容自体はよく分かるが、大学受験もある中でそれだけでよいのか不安を持っている』という意見もあり、そういう学びを本当に大事だと思っている方はまだ少数派だという印象を持っています」

 

石戸氏:「自分で考える力は大切と理解しつつ現実問題として受験も大事という人が多いということですね。次は『塾を運営していたからこそできること、気づかれたことはどういうことか』という質問ですが、いかがでしょうか」

 

山本:「この学校に行きたいと一生懸命勉強し、私たちも一生懸命指導した結果、晴れて第一志望校に入学したのに、ゴールデンウィーク明けから夏休み頃になると休みがちになって、ずっと塾に入り浸っている子どもは何人もみてきました。そういう子どもたちは決してサボっているわけではなく、例えば英語がものすごく好きな子はずっと塾で英語の勉強をやっていたりするのです。

 

学校の教師は、勉強が苦手な子どもはケアしなければいけないという使命感を持っていますが、よくできる子どもや、特に自分で学習を進められる子どもは放置されがちです。塾としてもそういう子どもたちの面倒をみていますが、学校でそういう子どもがきちんと学べる場所を作れないものか、ということは塾をやっていると感じますね」

 

石戸氏:「塾をやっているからこそ取り残される子どもの存在に気付き、その子たちに対する学びの場を提供しようとされたということですね」

 

山本:「通信制高校のさまざまな説明会に参加する機会がありますが、そこで会う子どもたちはどこか悲しげな雰囲気の子が多く、保護者も何か悲壮感が漂っている方が目立ちます。そういう子どもたちにはいつも『きっとあなたにも好きなことはあるでしょう』と話しかけます。そのことに目を向ければ、今はそれをちゃんと伸ばせる環境が、私たちのような学校を含めてたくさんありますから、それに目を向けて自信を持って学校選びをしなさいという話をよくします。皆と一緒でなくてよいので、自分のやりたいこと、できることをちゃんと自信を持ってやる。今はそういう時代なのだから、胸を張って学校選びなさいということを皆さんに伝えたいですね」

 

 

いかがでしたか?ワオ高の魅力をお伝えすることができたでしょうか?

話に上がった「教養探究」や「オンラインでのコミュニケーション」などは、こちらのページで詳しくご説明しています。よければ合わせてご覧ください。

 

また、オンラインシンポ全編では、ブログには書ききれないほどたくさんの魅力をお伝えしています。興味がある方は、ぜひ超教育協会HPにてレポート記事やアーカイブ動画をご覧ください!

 

多様化する学びへの挑戦~「議論と対話」を中心におくワオ高等学校の学びとは

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「哲学」を取り入れた実践的な学びを追求 第103回オンラインシンポレポート

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