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2025/05/13教養・リベラルアーツ大学受験

【戦略思考実践】思考力と書く力を養うプログラム 哲学テーマで小論文にも挑戦!

 

5月13日(火)、ワオ高校のバーチャルキャンパスにて、今年度の「戦略思考実践」授業がスタートしました。
この授業は月2回、哲学・科学・経済をテーマに「考える」「話す」「書く」を通して、大学入試にも活かせる戦略的な思考力を養い、小論文にも挑戦してみる実践型のプログラムです。

 


初回テーマ:「エコーチェンバー現象」と「フィルターバブル」


 

初回は哲学的なテーマとして、哲学探究を担当している福盛教諭がファシリテーターを務め、SNS時代の“情報環境”について考えました。
取り上げたのは、「エコーチェンバー現象」と「フィルターバブル」。

 

  • エコーチェンバー現象:自分と似た意見ばかりが返ってくる“閉じた反響室”のような情報空間
  • フィルターバブル:自分に都合の良い情報だけが届き、外の世界が見えなくなる“情報の泡”

 

たとえば、気候変動などの話題でも、自分が信じたい意見だけを取り入れてしまうことで、多様な意見が見えづらくなるという指摘をし、生徒たちにも自分自身の状況を振り返ってもらいました。

 


哲学的視点から見る“思い込み”のメカニズム


 

授業ではフランシス・ベーコンの「イドラ(思い込みの4つの型)」を通じて、なぜ人は偏った情報に囲まれてしまうのかを深掘り。

 

  • 市場のイドラ(=伝聞)により、他者の意見や噂に影響されやすい
  • SNSや群れの中にいる安心感が、バブルの中にとどまる要因になる
  • 共感に浸りすぎると、反感や異論への感度が下がってしまう

 

このような現象は現代の政治やメディアのあり方とも関係しており、アメリカのSNS選挙の話題も紹介されました。生徒からはさまざまな意見が寄せられました。

 

「SNSのない時代でも限られた情報から判断していたのだから、SNS時代の今は積極的に情報を集められる良い時代ともいえるのでは?すべてはメディアリテラシーの問題」

 

「人間は快感を得られる方向に進みやすいから、バブルの中に陥るのはある程度仕方ないところがある」

 

「自分の意見を客観視することが大切なのかな」

 


大学入試小論文にチャレンジ!


 

授業後半では、実際の大学入試でこの用語が題材となった小論文の問題に挑戦しました。

 

 

生徒たちはワオ高校の学習ツールを使い、400〜600字の小論文をその場で作成。
福盛教諭の解説を参考に、自分の考えを文章にまとめ、提出後は互いの意図を共有しながら発表を行いました。


1年生から受験生の3年生までが参加する戦略思考実践。特に入学したばかりの1年生にとっては難しいテーマでもありましたが、果敢に挑戦する姿が印象的でした。

 


書く力・考える力を育む12回の授業


 

授業の最後には、ハーディング現象やバンドワゴン効果といった関連キーワードも紹介され、「情報の流れの中に身を置いている自覚を持つこと」が大切だと学びました。

 

福盛教諭からは、こんなメッセージも。

 

「ソクラテスの『無知の知』という言葉があるが、“自分が知らない”ということを知り、それを他者にさらすことは、成長の第一歩。しり込みせずに戦略思考実践に前向きに取り組んでいこう」

 

この授業は全12回。その日のうちにアウトプットを行い、フィードバックを受けることで、思考力と表現力の定着を目指します。
次回以降は科学・経済のテーマにも取り組み、さらに多角的な視点を育んでいきます。

 

2025/05/13教養・リベラルアーツ大学受験

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